
ターコイズ(トルコ石)
フランス語 turquoise(「トルコの」)が語源。実際の主要産地はペルシア(現イラン)でしたが、トルコを経由してヨーロッパへ伝わったため、この呼び名が定着しました。
なぜ「トルコ石」と呼ばれるの?
和名は「トルコ石」。ただしトルコで産出するわけではなく、ペルシャ(現在のイラン)産の石がトルコを経由してヨーロッパへ運ばれたため「トルコの石」と呼ばれるようになったものです。
英名 Turquoise もフランス語で「トルコの」を意味する語に由来し、和名はその直訳にあたります。漢字では「土耳古石」と当てられることもあります。
産地を誤って示す名前が定着した代表例です。
どのくらい硬い?
モース硬度 5〜6・傷つきやすい2.5
3.5
5.5
7
10
モース硬度は「傷の付きにくさ」の目安です。自分より硬いものには傷を付けられます (例: 硬度7の石は、硬度5.5のガラスでは傷つきません)。割れにくさ(靭性)とは別の指標で、硬くても衝撃で欠けることはあります。
ターコイズの見た目と見分け方
不透明で、青から緑まで幅があります。母岩の褐色や黒の網目模様が入るものは「スパイダーウェブ(蜘蛛の巣)」と呼ばれ、産地によって評価が分かれます。
アメリカ市場では網目のあるものが好まれる一方、ペルシャ産の網目のない濃い空色は最高級とされます。多孔質で表面がやや粉っぽく、磨いてもガラスのような強い光沢は出ません。
染色品は割れ目に色が濃く溜まる傾向があります。
ターコイズはどこで採れる?
イラン(旧ペルシャ)のニシャプール鉱山は数千年の歴史を持ち、網目のない濃い空色を産出する最高級産地として知られます。アメリカではアリゾナ、ネバダ、ニューメキシコなどの鉱山が有名で、鉱山ごとに色や網目の特徴が異なり、産地名を冠して取引されます。
中国は現在の最大産出国のひとつですが、多くが安定化処理を経て流通します。エジプトのシナイ半島は最古級の採掘地です。
歴史・文化的背景
古代エジプトでは紀元前3000年頃のシナイ半島ですでに採掘され、ツタンカーメンの装飾にも使われました。アメリカ南西部のネイティブ・アメリカン(ナバホ・ズニ等)はシルバージュエリーと組み合わせる伝統工芸を発展させ、現在も代表的なターコイズの産地として知られます。
古代エジプトではシナイ半島で採掘され、ツタンカーメンの副葬品にも用いられました。アメリカ南西部の先住民にとっては特別な石で、銀細工と組み合わせたジュエリーは現在も文化を象徴する工芸品です。
ペルシャでは建築装飾のタイルに、チベットでは装身具や宗教具に用いられるなど、乾燥地帯の文化圏で広く珍重されてきました。
ターコイズと間違えられやすい石
安価な「ターコイズ」の多くは、白いハウライトやマグネサイトを青く染めたものです。また樹脂を染み込ませたスタビライズ処理品、粉末を固めた再生品も広く流通しています。
天然無処理のものは希少で高価です。青みの強いものと緑がかったものがありますが、これは産地の差に加え、経年で皮脂を吸って緑に寄る変化もあります。
よくある質問
トルコ石はトルコで採れるのですか?
採れません。ペルシャ(現在のイラン)産の石がトルコを経由してヨーロッパに伝わったため「トルコの石」と呼ばれるようになりました。主産地はイラン、アメリカ南西部、中国などです。
ターコイズが緑色なのは偽物ですか?
偽物とは限りません。産地によってもともと緑がかるものがあるほか、天然のターコイズは皮脂や油分を吸って青から緑へ変化します。古いターコイズが緑色をしているのはこのためです。
安いターコイズは何が違うのですか?
多くは白いハウライトなどを青く染めた別鉱物か、樹脂を染み込ませた処理品、粉末を固めた再生品です。天然無処理で色と硬さの揃ったものは希少なため高価になります。
基本データ
- 和名
- ターコイズ
- 英名
- Turquoise
- 別名
- トルコ石、土耳古石
- 鉱物グループ
- リン酸塩鉱物(含水リン酸銅アルミニウム)
- 色
- 青〜青緑(黒い母岩模様=マトリックスあり)
- モース硬度
- 5〜6
- 主な産地
- イラン(旧ペルシア)、アメリカ(南西部)、中国、エジプト(シナイ半島)
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辞典一覧へ →更新日: 2026-08-13


