
ラブラドライト(ラブラドル長石)
1770年にカナダ東部のラブラドル半島(モラヴィア兄弟団の宣教師によって)で発見されたことから、地名にちなんで命名されました。
なぜ「ラブラドル長石」と呼ばれるの?
和名は「曹灰長石(そうかいちょうせき)」。長石グループのうち、ナトリウム(曹達=ソーダ)とカルシウムを含む中間的な組成であることを化学的に表した名前です。
一方で装飾用としては英名をそのまま訳した「ラブラドル長石」の呼び方が広く使われます。鉱物学的な和名が化学組成を、流通名が産地を表しているという珍しい組み合わせになっています。
どのくらい硬い?
モース硬度 6〜6.5・日常使いに耐える2.5
3.5
5.5
7
10
モース硬度は「傷の付きにくさ」の目安です。自分より硬いものには傷を付けられます (例: 硬度7の石は、硬度5.5のガラスでは傷つきません)。割れにくさ(靭性)とは別の指標で、硬くても衝撃で欠けることはあります。
ラブラドライトの見た目と見分け方
地色は灰色から黒に近い暗色で、一見すると地味な石です。ところが特定の角度で光を当てると、青・緑・金・稀に紫や赤の遊色が板状に広がります。
この輝きは研磨面が結晶の層と平行になっているときに最もよく現れるため、同じ原石でもカットの向きで印象が大きく変わります。表面に細く走る黒い線が見えることがありますが、これは双晶の境目で、天然の証のひとつです。
ラブラドライトはどこで採れる?
原産地はカナダ東部のラブラドル半島で、1770年頃に発見されました。現在はマダガスカルが主要産地となっており、市場に流通する多くはマダガスカル産です。
フィンランドのユレマー地方からは、地色が黒く青・緑・金が強く出る高品質なものが産出し、スペクトロライトの名で区別されます。ロシアやメキシコからも産出があります。
歴史・文化的背景
発見後ヨーロッパで人気を博し、ヴィクトリア朝のジュエリーや調度品に使われました。フィンランド産で青の遊色が特に強い個体は「スペクトロライト」と区別して呼ばれます。
光の角度で虹色に煌めく「ラブラドレッセンス」は、薄い結晶層が光を干渉させることで生じます。
発見は1770年頃、カナダ東部のラブラドル半島でのこととされます。ヨーロッパに伝わると珍しい遊色が注目を集め、18〜19世紀の装身具や調度品の象嵌に用いられました。
フィンランド産で青の遊色がとりわけ強いものは「スペクトロライト」という名で1940年代から区別して流通しています。北方の先住民の伝承では、この石にオーロラの光が宿ると語られることがあります。
ラブラドライトと間違えられやすい石
ムーンストーンとよく混同されますが、ムーンストーンは正長石系で青白い柔らかな光を放つのに対し、ラブラドライトは斜長石系で青・緑・金と多色に強く輝きます。また白い地に遊色を持つ「レインボームーンストーン」は、名前にムーンストーンと付いていても鉱物学的にはラブラドライトに分類されるのが一般的です。
よくある質問
ラブラドライトの和名は何ですか?
鉱物名としては「曹灰長石(そうかいちょうせき)」です。ナトリウムとカルシウムを含む中間的な組成を表しています。装飾用には英名を訳した「ラブラドル長石」の呼称も広く使われます。
スペクトロライトとは何が違うのですか?
鉱物としては同じラブラドライトです。フィンランド産で、地色が黒に近く青や緑の遊色が特に強い個体に付けられた呼び名で、1940年代から使われています。産地と品質による区別であり、別鉱物ではありません。
レインボームーンストーンはムーンストーンですか?
名前に反して、鉱物学的にはラブラドライトに分類されるのが一般的です。白い地に青い光が浮かぶ外観がムーンストーンに似ているため、流通名として定着しました。
基本データ
- 和名
- ラブラドライト
- 英名
- Labradorite
- 別名
- ラブラドル長石、曹灰長石
- 鉱物グループ
- 斜長石(プラジオクレース)/長石グループ
- 色
- 灰〜黒地に、青・緑・金色の遊色(ラブラドレッセンス)
- モース硬度
- 6〜6.5
- 主な産地
- カナダ(ラブラドル半島)、マダガスカル、フィンランド、ロシア
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辞典一覧へ →更新日: 2026-08-13


