
ムーンストーン(月長石)
月のように青く揺らめく光(シラー)から「月の石」と呼ばれます。ヨーロッパでは中世から「moon stone」として知られていました。
なぜ「月長石」と呼ばれるの?
和名は「月長石(げっちょうせき)」。長石グループに属し、表面に月光のような青白い光が浮かぶことからこの名が付きました。
英名 Moonstone も同じ発想で、洋の東西を問わず月に見立てられた石です。宝石質のものは「アデュラリア」とも呼ばれ、これはスイスのアドゥラ山塊にちなむ名です。
青白い光そのものは「アデュラレッセンス」と呼ばれます。
どのくらい硬い?
モース硬度 6〜6.5・日常使いに耐える2.5
3.5
5.5
7
10
モース硬度は「傷の付きにくさ」の目安です。自分より硬いものには傷を付けられます (例: 硬度7の石は、硬度5.5のガラスでは傷つきません)。割れにくさ(靭性)とは別の指標で、硬くても衝撃で欠けることはあります。
ムーンストーンの見た目と見分け方
半透明の白から乳白色の地に、青白い光が表面を滑るように動いて見えます。地が透明に近く、光が濃い青で強く出るものほど高く評価されます。
カボション(丸磨き)に仕上げるのが一般的で、光がよく見えるよう層の向きを計算して研磨されます。光の帯は石を傾けると移動し、正面から見ても角度が合わなければ見えません。
ムーンストーンはどこで採れる?
スリランカが古くからの名産地で、透明度が高く青い光の強い最高品質のものを産出してきましたが、良質品の産出は減少しています。インド(南部)は産出量が多く、白・桃・灰など地色に幅があるものが流通します。
「レインボームーンストーン」として売られるものはインドやマダガスカル産が中心です。ミャンマーやマダガスカルからも産出があります。
歴史・文化的背景
古代インドでは月の女神に捧げる神聖な石とされ、ローマ人は月の光から生まれた石と信じていました。アール・ヌーヴォーの時代(19世紀末〜20世紀初頭)、ルネ・ラリックなどがムーンストーンをジュエリーに多用し、再び人気を集めました。
インドでは古くから神聖な石とされ、装身具や宗教的な装飾に用いられてきました。ヨーロッパでは19世紀末から20世紀初頭のアール・ヌーヴォー期に流行し、当時の宝飾作家の作品に多く使われています。
スリランカが古くからの名産地として知られ、透明度が高く青い光の強い個体は「ブルームーンストーン」として珍重されます。
ムーンストーンと間違えられやすい石
「レインボームーンストーン」の名で売られるものは、鉱物学的にはラブラドライトに分類されるのが一般的で、本来のムーンストーン(正長石系)とは別種です。またオパールのような遊色を持つ石とも混同されますが、ムーンストーンの光は層構造による散乱で、色が虹状に分かれるオパールの遊色とは仕組みが異なります。
よくある質問
ムーンストーンの和名は?
「月長石(げっちょうせき)」です。長石グループの一員で、表面に月光のような青白い光が浮かぶことに由来します。
青い光が見えたり見えなかったりするのはなぜ?
内部の層構造で光が散乱して生じる現象(アデュラレッセンス)のため、光と視線の角度が合ったときにだけ現れます。石の欠陥ではなく正常な性質です。
レインボームーンストーンは本物のムーンストーンですか?
鉱物学的にはラブラドライトに分類されるのが一般的です。外観が似ているため流通名として定着したもので、本来のムーンストーン(正長石系)とは別種です。
ブルームーンストーンとは何ですか?
地色が透明に近く、青い光が特に強く現れるムーンストーンを指す呼び名です。スリランカ産の良質なものが代表的で、光の色が濃い青で、石全体を滑るように動いて見えるものほど高く評価されます。近年は良質品の産出が減っており、市場では希少になっています。
基本データ
- 和名
- ムーンストーン
- 英名
- Moonstone
- 別名
- 月長石(げっちょうせき)、アデュラリア
- 鉱物グループ
- 正長石/長石グループ
- 色
- 乳白色〜青みがかった半透明、青いシラー(シーン効果)
- モース硬度
- 6〜6.5
- 主な産地
- スリランカ、インド、ミャンマー、マダガスカル
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辞典一覧へ →更新日: 2026-08-13


