
タイガーアイ(虎目石)
縞状の光彩が「虎の目」のように見えることから命名されました。和名「虎目石」も同じ発想です。
なぜ「虎目石」と呼ばれるの?
和名は「虎目石(とらめいし)」または「虎眼石」。黄褐色の地に走る光の帯が、虎の目の瞳孔のように見えることに由来します。
英名 Tiger's eye も同じ発想で、洋の東西で同じものに見立てられた例です。酸化前の青灰色のものは「鷹目石(ホークスアイ)」、赤褐色に加熱したものは「レッドタイガーアイ」と呼ばれ、いずれも目に見立てた名で呼び分けられています。
どのくらい硬い?
モース硬度 7・日常使いに耐える2.5
3.5
5.5
7
10
モース硬度は「傷の付きにくさ」の目安です。自分より硬いものには傷を付けられます (例: 硬度7の石は、硬度5.5のガラスでは傷つきません)。割れにくさ(靭性)とは別の指標で、硬くても衝撃で欠けることはあります。
タイガーアイの見た目と見分け方
黄褐色から金褐色の地に、光の帯が一本走ります。石を傾けると帯が移動し、まるで目が動くように見えます。
繊維の向きに対して直角にカボションで磨くほど帯がはっきり現れます。表面には繊維に沿った細かな縞が見え、これが独特の艶を生みます。
青灰色のホークスアイ、赤褐色に加熱したレッドタイガーアイも同じ構造を持ちます。
タイガーアイはどこで採れる?
南アフリカ北ケープ州が世界の主要産地で、19世紀に大量に産出するようになると価格が下がり、広く普及しました。それ以前のヨーロッパでは希少品として高値で取引されていた時期があります。
ほかにオーストラリア西部、ナミビア、インド、ミャンマー、中国などからも産出します。同じ構造を持つホークスアイも南アフリカが主産地です。
歴史・文化的背景
古代ローマ・エジプトで護符として用いられた記録があります。元はクロシドライト(青石綿)の繊維が石英に置き換えられたもの(仮晶)で、繊維方向に光が反射することで猫目効果(シャトヤンシー)が生じます。
同じ仕組みで青系のものは「ホークスアイ(鷹目石)」と呼ばれます。
南アフリカが主産地で、19世紀に大量に産出するようになると装飾品として世界に広まりました。それ以前のヨーロッパでは希少で高価だった時期もあります。
光の帯が動いて見えるため、古くから彫刻やカボションカット(丸く磨く加工)で光を活かす形に仕上げられてきました。印章や男性用のカフス・リングの石としても定番です。
タイガーアイと間違えられやすい石
キャッツアイ(クリソベリル・キャッツアイ)と混同されることがありますが、別鉱物です。クリソベリルのキャッツアイは硬度8.5で細く鋭い一本の光線が走るのに対し、タイガーアイは石英質の硬度7で、光の帯がやや幅広く現れます。
また「インド翡翠」と同様、鉱物名ではなく見た目に由来する通称が流通している石でもあります。
よくある質問
虎目石という和名の由来は?
黄褐色の地に走る光の帯が虎の目の瞳孔のように見えることに由来します。英名 Tiger's eye も同じ見立てで、洋の東西で同じ発想の名が付いた珍しい例です。
ホークスアイ(鷹目石)との違いは?
元になった鉱物の鉄が酸化しているかどうかの違いです。酸化して黄褐色になったものがタイガーアイ、酸化前の青灰色のものがホークスアイと呼ばれます。同じ石の色違いといえます。
キャッツアイと同じものですか?
別物です。宝石名の「キャッツアイ」は通常クリソベリル・キャッツアイ(硬度8.5)を指し、細く鋭い一本の光線が特徴です。タイガーアイは石英質で硬度7、光の帯はやや幅広く現れます。
タイガーアイはどうやってできるのですか?
もともとクロシドライトという青い繊維状の鉱物があった場所に、石英を含む溶液が染み込んで置き換わることでできます。このとき繊維の平行な構造だけが残るため、光を細い帯状に反射するようになります。含まれる鉄が酸化すると黄褐色のタイガーアイ、酸化前なら青灰色のホークスアイになります。
基本データ
- 和名
- タイガーアイ
- 英名
- Tiger's eye
- 別名
- 虎目石(とらめいし)
- 鉱物グループ
- 石英の繊維状仮晶(クロシドライト=青石綿に石英が置換)
- 色
- 金茶〜茶、繊維状の光(シャトヤンシー)
- モース硬度
- 7
- 主な産地
- 南アフリカ、オーストラリア、ナミビア
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辞典一覧へ →更新日: 2026-08-13


