
マラカイト(孔雀石)
ギリシャ語 malachē(ゼニアオイ=葵の一種)に由来。葉の緑色に似ていることから名付けられました。和名「孔雀石」は同心円状の縞模様が孔雀の羽の目玉模様に似ていることから。
なぜ「孔雀石」と呼ばれるの?
和名は「孔雀石(くじゃくいし)」。濃淡の緑が同心円状の縞を描く模様が、孔雀の羽の目玉模様を思わせることに由来します。
英名 Malachite はギリシャ語でゼニアオイを意味する malache に由来するとされ、その葉の緑色になぞらえたものです。和名は模様から、英名は色から名付けられており、同じ石でも着眼点が異なるのが面白い例です。
どのくらい硬い?
モース硬度 3.5〜4・とても傷つきやすい2.5
3.5
5.5
7
10
モース硬度は「傷の付きにくさ」の目安です。自分より硬いものには傷を付けられます (例: 硬度7の石は、硬度5.5のガラスでは傷つきません)。割れにくさ(靭性)とは別の指標で、硬くても衝撃で欠けることはあります。
マラカイトの見た目と見分け方
不透明で、明るい緑と濃い緑が同心円状や波状の縞を描きます。この縞は鍾乳石のように層状に成長した断面で、切る方向によって模様がまったく変わります。
磨くと絹のような光沢が出ますが、硬度3.5〜4と軟らかいため、ガラスのような強い輝きにはなりません。粉末はそのまま緑色の顔料になり、日本画の岩絵具にも使われます。
マラカイトはどこで採れる?
コンゴ民主共和国(旧ザイール)が現在の主要産地で、大型の塊が産出します。ロシアのウラル地方は19世紀に大量の良質品を産出し、宮殿の柱や調度品に用いられましたが、現在は枯渇しています。
ほかにザンビア、オーストラリア、アメリカ(アリゾナ州)などの銅鉱床でも産出します。銅鉱山の酸化帯という限られた環境でしか生成しません。
歴史・文化的背景
古代エジプトでは顔料・アイシャドウとして用いられ、ロシアではエカチェリーナ宮殿の「マラカイトの間」を飾る装飾石として大量に使われました。銅鉱床の酸化帯で生成される二次鉱物で、銅の指示鉱物としても知られます。
古代エジプトでは砕いて緑色の顔料や化粧料(アイシャドウ)として使われ、壁画の緑にも用いられました。ヨーロッパでは絵画用の顔料「マラカイトグリーン」の原料となり、ロシアのウラル地方産の大型のものは、エルミタージュ美術館の柱や装飾品など宮廷の内装に使われました。
日本でも岩絵具の緑青(ろくしょう)の原料として日本画に用いられています。
マラカイトと間違えられやすい石
同じ銅の二次鉱物であるアズライト(藍銅鉱)としばしば共生し、両者が混ざったものは「アズロマラカイト」と呼ばれます。また粉末を樹脂で固めた再生品も流通しており、天然品の縞が不規則なのに対し再生品は模様が均質になりやすい傾向があります。
硬度3.5〜4と軟らかいため、硬い石と混同されることはほとんどありません。
よくある質問
孔雀石という和名の由来は?
濃淡の緑が同心円状の縞を描く模様が、孔雀の羽の目玉模様に似ていることに由来します。英名の Malachite は植物の葉の緑にちなむとされ、和名と着眼点が異なります。
マラカイトは有毒ですか?
研磨や切削で出る粉塵には銅が含まれるため吸い込むのは避けるべきですが、研磨済みの製品を身に着ける分には通常問題ありません。ただし口に入れる使い方はしないでください。
緑青(ろくしょう)と関係がありますか?
日本画で使う岩絵具の緑青は、マラカイトを砕いて作られてきました。銅が酸化してできる緑青(さび)と語が同じですが、絵具としての緑青の原料はこの孔雀石です。
マラカイトとアズライトが一緒になった石があるのはなぜ?
どちらも銅鉱床の酸化帯で生成する銅の二次鉱物で、生成条件が近いため同じ場所で共生します。青いアズライトが変質して緑のマラカイトに変わることもあり、両者が混ざったものは「アズロマラカイト」と呼ばれて装飾に用いられます。青と緑が入り混じる独特の模様が特徴です。
基本データ
- 和名
- マラカイト
- 英名
- Malachite
- 別名
- 孔雀石(くじゃくいし)
- 鉱物グループ
- 炭酸塩鉱物(塩基性炭酸銅)
- 色
- 縞模様の鮮やかな緑
- モース硬度
- 3.5〜4
- 主な産地
- コンゴ民主共和国、ロシア(ウラル)、ナミビア、ザンビア
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辞典一覧へ →更新日: 2026-08-13


