
水晶(クリスタルクォーツ)/石英
英名 rock crystal の crystal は、ギリシャ語 krystallos(氷)に由来します。古代ギリシャ人は水晶を「永遠に溶けない氷」と考えていました。和名の「水晶」も同じ発想で「水の精」を意味します。
なぜ「石英」と呼ばれるの?
和名の「水晶」は、透明な結晶が水の凍ったもののように見えることに由来する呼び名で、中国から伝わりました。鉱物名としては「石英(せきえい)」を用い、そのうち透明で結晶形の整ったものを水晶と呼び分けます。
英名の Rock crystal も、ギリシャ語で「氷」を意味する krystallos に由来し、洋の東西で同じ発想から名付けられた珍しい例です。日本では山梨県の甲州水晶が古くから知られています。
どのくらい硬い?
モース硬度 7・日常使いに耐える2.5
3.5
5.5
7
10
モース硬度は「傷の付きにくさ」の目安です。自分より硬いものには傷を付けられます (例: 硬度7の石は、硬度5.5のガラスでは傷つきません)。割れにくさ(靭性)とは別の指標で、硬くても衝撃で欠けることはあります。
水晶(クリスタルクォーツ)の見た目と見分け方
無色透明で、六角柱の先が錐状に尖った結晶形が典型です。内部に針状のルチルを含む「ルチルクォーツ」、緑泥石を含む「ガーデンクォーツ」など、内包物によって別名で呼ばれるものも多くあります。
天然の結晶には成長線や内包物が見られるのが普通で、完全に無傷で泡のない透明体はガラスや人工水晶の可能性があります。硬度7でガラスに傷を付けられます。
水晶(クリスタルクォーツ)はどこで採れる?
ブラジル、マダガスカル、アメリカ(アーカンソー州)、ヒマラヤ地域などが主要産地です。日本では山梨県の甲州水晶が古くから知られ、江戸期以降に研磨産業が発展しました。
現在では良質な天然結晶の産出が限られる一方、圧電素子や光学部品向けに人工水晶が工業的に大量生産されており、装飾用にも一部が用いられています。
歴史・文化的背景
古代から世界各地で珍重され、日本では山梨県甲府が江戸時代から水晶細工の中心地でした。仏教では仏舎利を納める容器に用いられ、ヨーロッパでは水晶玉が占いの道具として広まりました。
地球の地殻に最も多く存在する鉱物グループのひとつです。
日本では仏教とともに伝わり、数珠や仏具に用いられてきました。澄んだものの象徴として扱われ、正倉院にも水晶製品が納められています。
ヨーロッパでは古代ローマ時代から印章や容器の材料とされ、レンズや眼鏡の材料としても使われました。近代以降は圧電性を利用して時計や電子機器の発振子となり、現在も人工水晶が大量に生産されています。
水晶(クリスタルクォーツ)と間違えられやすい石
ガラスと混同されやすいですが、水晶は硬度7でガラス(5〜6)より硬く、熱伝導性が高いため触れたときひんやり感じます。またガラスには丸い気泡が入ることがあるのに対し、天然水晶は針状・板状の内包物や成長線を持ちます。
「ハーキマーダイヤモンド」はダイヤモンドではなく、両端が尖った形の水晶に付けられた通称です。
よくある質問
水晶と石英は違うものですか?
鉱物としては同じ二酸化ケイ素です。石英が鉱物名で、そのうち透明で結晶の形が整ったものを慣用的に水晶と呼び分けます。
水晶とガラスはどう見分けますか?
水晶のほうが硬度7でガラスより硬く、熱を伝えやすいため触れるとひんやり感じます。またガラスには丸い気泡が入ることがあり、水晶には針状の内包物や成長線が見られます。
ハーキマーダイヤモンドはダイヤモンドですか?
違います。アメリカ・ニューヨーク州ハーキマー郡で採れる、両端が尖った形の水晶に付けられた通称です。透明度が高く輝いて見えることからこの名が付きました。
水晶にはどんな種類がありますか?
内包物や色によって多くの呼び名があります。針状のルチルを含むルチルクォーツ、緑泥石などを含むガーデンクォーツ、紫のアメジスト、黄色のシトリン、褐色のスモーキークォーツなどはいずれも石英の仲間です。鉱物としては同じ二酸化ケイ素で、含まれる微量元素や内包物の違いが呼び名の違いになっています。
基本データ
- 和名
- 水晶(クリスタルクォーツ)
- 英名
- Rock crystal / Clear quartz
- 別名
- クォーツ、石英、ロッククリスタル
- 鉱物グループ
- 石英(クォーツ)/二酸化ケイ素 SiO₂
- 色
- 無色透明
- モース硬度
- 7
- 主な産地
- ブラジル、アメリカ(アーカンソー)、マダガスカル、日本(山梨)
関連
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辞典一覧へ →更新日: 2026-08-13


