
エメラルド(翠玉)
ギリシャ語 smaragdos(緑の石)に由来し、ラテン語 smaragdus を経て古フランス語 esmeralde、英語 emerald となりました。
なぜ「翠玉」と呼ばれるの?
和名は「翠玉(すいぎょく)」または「緑柱石(りょくちゅうせき)」。翠玉は鮮やかな緑の玉という意味で、緑柱石はベリルという鉱物全体の和名です。
つまりベリルのうち緑色のものがエメラルドという関係になります。英名 Emerald はギリシャ語で緑の石を意味する smaragdos に遡り、サンスクリット語まで系譜をたどれるとされる古い語です。
どのくらい硬い?
モース硬度 7.5〜8・非常に硬い2.5
3.5
5.5
7
10
モース硬度は「傷の付きにくさ」の目安です。自分より硬いものには傷を付けられます (例: 硬度7の石は、硬度5.5のガラスでは傷つきません)。割れにくさ(靭性)とは別の指標で、硬くても衝撃で欠けることはあります。
エメラルドの見た目と見分け方
やや青みを帯びた深い緑が最上とされます。内部には「ジャルダン(庭)」と呼ばれる内包物とひびが必ずといってよいほど見られ、これが天然の証にもなっています。
透明度が高すぎる緑石はむしろ疑われます。六角柱状の結晶形をとり、原石の状態でも六角形の断面が確認できます。
ひびが多いためカット時の欠けを避ける「エメラルドカット」が考案されました。
エメラルドはどこで採れる?
コロンビアが最高品質の産地として知られ、ムソー鉱山、チボール鉱山、コスクエス鉱山が有名です。ザンビアは青みの強い緑を産出し、産出量では世界有数です。
ブラジル、ジンバブエ、アフガニスタン、ロシアのウラル地方からも産出します。エジプトのクレオパトラ鉱山は古代からの採掘地ですが、現在は枯渇しています。
歴史・文化的背景
古代エジプトのクレオパトラが愛したことで知られ、当時のエメラルド鉱山は紀元前1500年頃から稼働していました。インカ帝国もエメラルドを神聖視し、コロンビアのムゾー鉱山は16世紀から世界最大級の産地として知られます。
クロムまたはバナジウムによって緑色に発色します。
古代エジプトのクレオパトラが所有した鉱山が知られ、当時から緑の宝石の代表格でした。16世紀にスペイン人が南米でコロンビア産の高品質なエメラルドを見出し、ヨーロッパやインドへもたらされたことで、ムガル帝国の宝物にも多く残されています。
現在もコロンビア産が最高品質の産地として知られ、5月の誕生石とされています。
エメラルドと間違えられやすい石
緑色の石としてはツァボライトガーネット、ペリドット、グリーントルマリンなどがあります。エメラルドは内包物が多く「ジャルダン(庭)」と呼ばれるひびを持つのが通例で、逆に完全に透明な緑石はエメラルド以外か合成品の可能性があります。
また市販品のほぼ全てがオイル含浸処理を受けている点も、他の緑石と大きく異なります。
よくある質問
エメラルドの和名は?
「翠玉(すいぎょく)」です。鉱物名としてはベリルの和名である「緑柱石(りょくちゅうせき)」の緑色変種にあたります。
内包物やひびが多いのは品質が悪いからですか?
いいえ。エメラルドには「ジャルダン(庭)」と呼ばれる内包物とひびがあるのが通例で、天然の証とされます。むしろ完全に透明なエメラルドはきわめて稀で、非常に高額です。
アクアマリンと同じ鉱物というのは本当ですか?
本当です。どちらもベリルという鉱物で、クロムやバナジウムで緑に発色したものがエメラルド、鉄で水色になったものがアクアマリンです。
エメラルドカットはエメラルド専用の形ですか?
専用ではありませんが、エメラルドのために考案された形です。エメラルドは内包物とひびが多く欠けやすいため、角を落とした八角形にすることで衝撃が集中しにくくなり、研磨中の破損も防げます。現在はダイヤモンドやほかの宝石にも広く使われています。
基本データ
- 和名
- エメラルド
- 英名
- Emerald
- 別名
- 翠玉(すいぎょく)、緑柱石(の一種)
- 鉱物グループ
- ベリル(緑柱石)/アクアマリンの仲間
- 色
- 深い緑
- モース硬度
- 7.5〜8
- 主な産地
- コロンビア、ザンビア、ブラジル、アフガニスタン
関連
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辞典一覧へ →更新日: 2026-08-13


