
シトリン(黄水晶)
フランス語 citron(レモン・シトロン)に由来し、レモンのような黄色から名付けられました。和名「黄水晶」もこの色合いを直接表しています。
なぜ「黄水晶」と呼ばれるの?
和名は「黄水晶(きすいしょう)」。水晶の黄色い変種であることを表しています。
英名 Citrine はフランス語で「レモン色の」を意味する語に由来します。かつて日本や欧米で「トパーズ」の名を冠して売られた時期があり、「シトリントパーズ」といった紛らわしい呼称も使われましたが、トパーズとはまったく別の鉱物です。
現在は明確に区別されます。
どのくらい硬い?
モース硬度 7・日常使いに耐える2.5
3.5
5.5
7
10
モース硬度は「傷の付きにくさ」の目安です。自分より硬いものには傷を付けられます (例: 硬度7の石は、硬度5.5のガラスでは傷つきません)。割れにくさ(靭性)とは別の指標で、硬くても衝撃で欠けることはあります。
シトリンの見た目と見分け方
淡いレモン色から濃い蜂蜜色、赤みの強い橙色まで幅があります。天然のシトリンは淡く落ち着いた黄色が多く、赤みの強い橙色は加熱処理によるものが大半です。
水晶と同じく六角柱状の結晶形をとり、透明度は高めです。加熱品では結晶の先端に近いほど色が濃く出る傾向があり、根元が白く抜けているものも見られます。
シトリンはどこで採れる?
ブラジルが圧倒的な産出量を占め、リオグランデドスル州などから産出するアメジストを加熱して黄色にしたものが市場の主流です。天然のシトリンはボリビア、マダガスカル、スペイン、ロシアなどから少量産出します。
ボリビアのアナヒ鉱山はアメジストとシトリンが共存するアメトリンの産地として知られています。
歴史・文化的背景
天然のシトリンは比較的希少で、市場に流通するものの多くはアメジストを加熱処理して黄色く発色させたもの(加熱シトリン)です。古代ローマ時代から印章石として用いられ、中世以降はトパーズの代用としても使われました。
11月の誕生石としてトパーズと並ぶ位置づけです。
ヨーロッパでは18〜19世紀にスコットランドの装身具に用いられ、20世紀にはアールデコ様式の大ぶりな指輪やブローチに好んで使われました。天然の黄色い石英は産出が少ないため、古くからアメジストや煙水晶を加熱して黄色を出す方法が知られており、これが現在も一般的な製法として続いています。
シトリンと間違えられやすい石
最も注意すべきはトパーズとの混同です。シトリンは石英(硬度7)、イエロートパーズはトパーズ(硬度8)で、比重も屈折率も異なり、トパーズには明瞭な劈開があります。
歴史的な誤用の名残で今も混同されがちです。また市場のシトリンの多くはアメジストなどを加熱したもので、赤みの強い橙色になる傾向があります。
よくある質問
シトリンの和名は?
「黄水晶(きすいしょう)」です。水晶(石英)の黄色い変種であることを表しています。
シトリンとトパーズは同じものですか?
まったく別の鉱物です。シトリンは石英で硬度7、トパーズは硬度8で明瞭な劈開を持ちます。かつてシトリンが「トパーズ」の名で売られた歴史があり、現在も混同されがちです。
市販のシトリンは加熱処理が多いと聞きました。
その通りです。天然の黄色い石英は産出が少なく、アメジストや煙水晶を加熱して黄変させたものが多く流通しています。宝石業界で認められた一般的な処理で、素材は本物の石英です。
天然シトリンと加熱シトリンは見分けられますか?
確実な判別には鑑別が必要ですが、傾向はあります。天然のものは淡いレモン色から蜂蜜色で色が穏やか、加熱によるものは赤みの強い橙色になりやすく、結晶の先端に近いほど色が濃く根元が白く抜けることがあります。ただし例外も多いため、外見だけでの断定は避けたほうが安全です。
基本データ
- 和名
- シトリン
- 英名
- Citrine
- 別名
- 黄水晶(きすいしょう)
- 鉱物グループ
- 水晶(クォーツ)の黄色変種
- 色
- 黄〜橙黄
- モース硬度
- 7
- 主な産地
- ブラジル、マダガスカル、ウルグアイ
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辞典一覧へ →更新日: 2026-08-13


