蒲色
かばいろ
Cattail brown
蒲色は湿地に生育する植物「蒲(がま)」の、ソーセージのような形の穂の赤味を帯びた黄褐色を指す色名です。橙寄りの黄茶色で、柿色よりやや赤味が強く、山吹色より茶味が強い中間色です。古事記に「因幡の白兎」が傷の治療に蒲の花粉を用いた話があるなど、古くから親しまれた植物に由来します。現代では秋の和装、革製品、和雑貨の落ち着いた暖色として使われます。蒲色は、水辺の植物という身近な自然を基準にした色名です。ガマの穂綿は寝具や敷物にも使われており、生活のすぐそばにあったからこそ色の基準として共有できました。神話にも登場する植物であることが、色名に古さを与えています。
なぜ「蒲色」という名前なの?
ガマ(蒲)の穂の色にちなむ色名です。赤みを帯びた黄褐色を指します。
ガマは水辺に生える多年草で、秋にソーセージのような茶褐色の穂をつけます。この穂の色を写した命名で、『古事記』の因幡の白兎の話に登場する「蒲の穂」でも知られる植物です。
蒲色の歴史と作り方
蒲色は平安期から用いられた色名で、襲の色目にも見られます。ガマの穂綿は古くから寝具や敷物の材料として使われ、生活に身近な植物でした。
染色では茜や蘇芳に黄の染料を重ねて表現されました。「かばいろ」「がまいろ」と読みが揺れることがありますが、色名としては「かばいろ」が一般的です。
こんな場面で使われる
- 秋の和装
- 落ち着いた暖色のアクセント
- 和雑貨・伝統工芸
- 革製品の色見本
和装の地色、和風の装丁、秋のデザインに使われます。落ち着いた暖色なので、温かみと格調を同時に出せます。
深緑や紺と合わせると、対比で色が引き立ちます。
蒲色に合う色・配色のコツ
深緑や紺と合わせると対比で色が引き立ちます。生成りと組み合わせると自然な秋の配色になり、金を差すと格調が出ます。
同系の柿色や黄土色と重ねると暖色のグラデーションが作れます。彩度が中程度なので広い面積でも落ち着きを保てます。
蒲色と似た色の違い
柿色より黄みが強く暗いのが蒲色です。鳶色はより赤みが強く暗く、黄土色は蒲色より黄が強く赤みが少なくなります。
同系の「樺色(かばいろ)」は樺の樹皮の色を指し、字も由来も異なりますが混同されやすい色名です。洋色のオーカー(黄土色)は蒲色に近い黄褐色ですが、こちらは顔料に由来する名前です。
蒲色は植物の穂の色に由来するため、同じ色域でも参照するものが自然物か鉱物かという違いがあります。
よくある質問
蒲色はどう読みますか?
「かばいろ」と読むのが一般的です。「がまいろ」と読まれることもありますが、色名としては「かばいろ」が定着しています。
蒲色と樺色は同じですか?
字も由来も異なります。蒲色はガマの穂の色、樺色はカバノキの樹皮の色に由来します。読みが同じため混同されやすく、実際に色調も近いため区別が曖昧になることがあります。
蒲とはどんな植物ですか?
水辺に生える多年草で、秋にソーセージのような茶褐色の穂をつけます。『古事記』の因幡の白兎の話に登場することでも知られ、穂綿は寝具や敷物の材料に使われてきました。
蒲色はどんな場面で使いますか?
和装の地色、和風の装丁、秋のデザインなどです。落ち着いた暖色なので温かみと格調を同時に出せます。深緑や紺と合わせると対比で色が引き立ちます。
蒲色のHEX値は決まっていますか?
一つに定まってはいません。伝統色のHEX値は慣用値で、資料によって差があります。蒲色は樺色と混同されることもあり、出典によって指す色に幅が出やすい色名です。
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一覧へ →更新日: 2026-08-13